食べられるクラゲとは?

たよりなく海中をのらりくらり。そのクルクル・クラクラしている様子から名前が付けられたといわれるクラゲ。
皆さんも海や水族館でのんびりしたクラゲの様子をご覧になったことがあると思います。

漢字でクラゲは「海月」、あるいは「水母」と書きます。「海月」の由来は海の中に月があるように映るからといわれています。「水母」と表記する理由ははっきりと判っておりません。

(水族館で展示されるミズクラゲ)

海を渡って伝えられたクラゲの食文化

クラゲは江戸時代初期に、塩漬けしたものが大陸から伝わってきたと言われています。それまでにも国内でクラゲを食べる習慣はありましたが、一般的に日本人がクラゲを食べるようになったのはその後の話のようです。

さて、混同しやすいのがキクラゲ(木耳)。
こちらはクラゲではなく、キノコです。干したクラゲに似ているところから、この名が付けられました。味は淡く、噛むと音がして、食感が干したクラゲに似ています。

(左:クラゲ 右:キクラゲ)

(キクラゲ)

食べられるクラゲとは

クラゲには大きく分けて、刺胞(しほう)動物のクラゲと、有櫛(ゆうせつ)動物のクラゲの2種類があります。刺胞動物のクラゲは触手に「刺胞」と呼ばれる、物理的または化学的刺激により毒液を注入する針を備えた細胞内小器官をもつ細胞があることからこの名前で呼ばれます。
食用となるクラゲはこちらに属し、ビゼンクラゲやヒゼンクラゲなどの数種類のみです。和名の通り「備前」「肥前」の各沿岸を含む地域で漁獲されています。

一方、有櫛動物のクラゲは毒のある触手の代わりに、接着剤のような物質を使って、甲殻類や泳ぎの遅い魚を捕まえます。代表的なものはクシクラゲです。

(クシクラゲ)

中華料理で使用されるクラゲ

クラゲは主にかさと触手から構成されます。かさの部分は約98%が水分で、残りは少量のタンパク質と糖質。けっして栄養的な価値は高くありません。また、クラゲ自体には味やにおいがほとんどないので、こりこりとした食感を楽しむものといえるでしょう。

くらげ/塩蔵・塩抜き
エネルギー kcal水分gたんぱく質g脂質g炭水化物g灰分mg
2294.25.20.1微量0.5

(中華クラゲの冷製料理)

クラゲを保存するためには、塩とみょうばんで漬け込んで脱水します。塩蔵したものを乾燥させて「干しクラゲ」として販売されることもあります。 中華料理では塩漬けしたクラゲは海蜇皮(ハイジョーヒ)と呼ばれ、調理前に塩抜きをしてから使われます。前菜やスープなどに用いられます。

様々なクラゲ

近年問題となっているのが、大型クラゲの大量発生。東シナ海北部、黄海の中国及び韓国沿岸で発生したクラゲが、海流に乗って日本の沿岸に来遊することが近年の調査で明らかになっています。ただしその原因については、はっきりしていません。

(エチゼンクラゲ)

(海水浴で危険なクラゲ カツオノエボシ)

上の写真の美しいクラゲは、カツオノエボシ。海水浴のシーズンになるとニュースなどで話題になる、大変危険なクラゲです。食べるのはもちろん、打ち上げられたものに触るのも危険ですので注意してください。

(オワンクラゲ)

こちらはオワンクラゲ。2008年に下村脩氏が、オワンクラゲのもつ「緑色蛍光タンパク質」の研究で、ノーベル化学賞を取ったことで一躍脚光を浴びました。

食べられるクラゲ、見た目華やかなクラゲ、近づくのも危険なクラゲ……クラゲは世界に3000を超える種類がいると言われています。クラゲには脳はないけど神経があり、心臓がなく、血管も血もありません。生体にはまだまだ謎の多い生き物です。
海には不思議な生き物がまだまだたくさんいますね。