カマボコ、チクワ、揚げ物など、さまざまな製品となって食卓を賑わせてくれる「スリミ」。
練り製品の原料として使われているスリミですが、実は日本から遠く離れたアラスカで作られています。
工場の中に入るには、衛生管理や業務中の安全業務などに関する説明と、厳しいチェックを受けます。
米国の工場では、HACCP(※)に基づく管理が厳しく行われているためです。
このHACCPですが、最近は日本でも取得する工場が増えています。
日本から米国に食品を輸出する際には、対米HACCP認証を受けることが不可欠なため、日本の企業も、HACCP認証の取得を進めているのです(日本では対米HACCPを363施設が認証取得/2018年3月末)。
※Hazard Analysis and Critical Control Point:原材料の受入れから最終製品に至るまでの工程ごとに、微生物による汚染や金属の混入等の食品の製造工程で発生するおそれのある危害をあらかじめ分析(HA)し、危害の防止につながる特に重要な工程を重要管理点(CCP)として継続的に監視・記録する工程管理システム。(出典:水産白書)
写真は、スリミの検品をしている時の様子です。
水分量やpHの他、スリミの色調や魚の皮を含めた夾雑物の有無など細かな検査が行われ、シートに検査の結果が記載されていきます。
シートには「KAMABOKO(カマボコ)」といった言葉もローマ字で使われています。
厳しい管理をパスしたスリミは、練り製品のカマボコやチクワなどに形を変え、皆さんの食卓に届けられます。
工場の生産管理には、日本人のきめ細かいマネジメントが役に立ちます。
水揚げのハイシーズンになると、現地の社員と日本人駐在員と日本人技術者が連携してフル稼働しています。
日本から遠く離れたアラスカで、日本の水産技術が活躍しているのです。