みんな大好きエビフライのエビってどんなエビ?

マルハニチロの「海の幸と海の思い出に関する調査 2018」 によると、好きな魚介類ランキングの1位はエビ、お弁当のおかずにしたい魚介料理の1位は「エビフライ」でした。

皆さんはどんなエビ料理が好きでしょうか。今回のテーマはエビです。

エビフライのエビは何エビ?

一口にエビといっても、さまざまな種類のエビが生息しています。
十脚目に属するエビ類は、現在知られているのは約3,000種類です。北半球・南半球から赤道直下、海面域から深海まで海水・淡水問わずエビ類は幅広く世界中に分布しています。
因みに「カニ」が名称の中にある「ザリガニ」もエビの種類になります。

(エビの種類 出典:FRANEWS vol.21)

英語では小さいエビを「shrimp(シュリンプ)」、大きめのエビを「prawn(プローン)」、さらに大きいエビを「lobster(ロブスター)」と呼んでいます。 日本では「海老」がよく使われていますが、他に「蝦」も見かけたことがあるかもしれません。

「海老」という表記は日本独自のもので、平安時代に編纂された辞書「和名類聚抄」(読み方:わみょうるいじゅしょう)に登場したのが始まりです。エビが体を折り曲げて泳いだりしていることや、長いヒゲを持っていることから、お年寄りを連想させ、「海老」となったと考えられています。

「蝦」は「桜蝦(サクラエビ)」や「車蝦(クルマエビ)」など、水中を泳ぐ小さいエビの名称に用いられますが、常用漢字ではないため、「海老」も使われます。

エビは食材としても魅力に富んでいて、スペインのパエリアやインドのカレー、中華料理でもさまざまな料理に利用されています。日本でもエビを使った料理はいろいろありますが、なんといってもエビフライ。お弁当のおかずナンバーワンなのですから。
このエビフライ、昨今多く利用されているのは、バナメイエビというエビです。

(バナメイエビ)

世界のエビの生産量は年々増えている

(出典:FAO統計・みなと新聞2021年5月13日)

グラフからわかるように、1980年頃からエビの養殖事業が本格的に始まりました。さらに2000年以降バナメイエビの養殖が盛んになり、エビの生産量が増え、現在ではエビの生産量の半数ほどがバナメイエビになりました。

(出典:水産物パワーデータブック2020年度版)

バナメイエビはクルマエビ科のエビ(英名・学名)で、水中に浮いた状態で生活するため、他のエビに比べ養殖しやすいことから、生産量が増えていきました。
バナメイエビはエビフライをはじめ、むきエビや寿司エビなど、幅広く活躍しています。

エビの美味しさ

(ガーリックシュリンプ)

エビの身は魚肉に比べ、グリシンやアラニン、アルギニンなど、旨味に影響する遊離アミノ酸含を多く含んでいます。旨味が強いのに味をしつこく感じないのは脂質が少ないからと考えられています。

食品成分エネルギー水分たんぱく質脂質炭水化物
可食部
100g
82kcal78.6g19.6g0.6g0.7g


(バナメイえび/養殖/生 出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂))

エビを茹でるとなぜ赤くなる?

(茹でたエビ)

エビの殻・身にはアスタキサンチンが含まれています。このアスタキサンチンは本来赤色なのですが、タンパク質と結合していると青や緑色となっています。エビを茹でたり、酢に漬けて赤くなるのは、熱や酸によりタンパク質との結合が切れ、本来の色素の色が表れるからです。

日本人とエビ

(出典:財務省貿易統計(輸入)、海面漁業生産統計)

日本人は世界一のエビ好きともいわれていますが、日本でエビは、2018年では輸入量158,488トン(91.5%)に対し、国内漁獲量は14,645トン(8.5%)です。 世界の生産量が増え、私たちの食生活にも欠かせない身近な食材となったエビですが、これからも美味しく食べ続けていきたいですね。