高浜街道(通称:西の鯖街道)
【ルート】福井県高浜町~京都府京都市
若狭から京都へ向かう鯖の道は複数あったとされていますが、なかでも最短の街道が「高浜街道」。
福井県高浜から名田庄(なたしょう)そして堀越峠を越えて京都府美山、周山を経て鷹峯へ入る約70kmの道です。
若狭でもっとも西側に位置する鯖の道は標高約800mの丹波高地を挟むため、その道のりは厳しく、険しい山道を越えなければなりませんでした。
また、明智光秀が築いた周山がある京北は、林業の町としてとして繁栄しました。都へと木材を運ぶ産業の道でもあった街道沿いは、切り立った山間に杉が林立する風景が続きます。
街道の中継地として賑わい、今も茅葺き屋根の建物が多く残る美山町・鶴ケ岡地区では秋祭りに「鯖のなれ寿司」を作る風習があります。
300年以上の歴史をもつ行事食は、塩漬けの鯖にご飯を詰めて桶に入れ、重しをして水あるいは塩水を張り、約1週間かけて発酵させたもの。チーズのようなふくよかな香り、濃厚な風味が楽しめます。
高浜街道は、小浜から八ケ峰を越え、茶見峠で合流する「小浜街道」周辺地区ともに「西の鯖街道」の名称で、2010年に国土交通省が推進する「日本風景街道」として登録されました。福井県おおい町「道の駅 名田庄」では、西の鯖街道にちなんだメニュー「鯖そば」が大人気。自然薯を練りこんだそばと、香ばしい鯖がベストマッチした新たな鯖グルメです。
(文 薬膳アテンダント/ 全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ 池田陽子)