マサバ
英名:chub mackerel
学名:Scomber japonicus
標準和名:マサバ
分類:スズキ目 サバ科
別称:ヒラサバ、ホンサバ
分布域
マサバは、上図の通り2系統群に分かれて分布しています。太平洋系群は太平洋南部沿岸から千島列島沖合に分布しています。対馬暖流系群は東シナ海南部から日本海北部。さらに黄海や渤海にも及びます。
マサバの特徴
日本でサバといえば、マサバとゴマサバの2種類。その中でも、マサバは、漁獲量や流通量で群を抜いています。
秋になると脂がのって美味しいといわれているのは、主にマサバを指しています。
太平洋系群と、対馬暖流系群の2系統に分かれますが、その中でも最も数量が多く、日本の消費者やサバの加工場が多くある産地にとって影響が大きいのが太平洋系群のマサバです。
太平洋系群のマサバは、八戸ではシメサバや缶詰、銚子では塩サバなどの加工品が有名です。
各水揚げ地では、もともとサバを主体に加工業が栄え、その製品が全国で売られてきました。
ところが、1990年代に入ると、漁獲量が1970年代の100万トン台から、1990年には3万トン程度に激減してしまいます。
このため原料不足が起こり、ノルウェーから10万トンを超える輸入が開始されて不足分が補われてきました。
ゴマサバは脂の乗り具合や身質の違いから、特に加工品向けとしては、マサバの代用に向かないという評価が多く、ノルウェーサバが代用されてきました。
もう一方の対馬暖流系群のマサバは、漁獲量が少なかったりサイズが小さかったりなどで、太平洋系群に比べて市場に与える影響は大きくはありません。
マサバの生態情報
年齢に対する成長と成熟
上のグラフから2018年時点では、マサバの年齢に対して、重量の増加ペースが遅くなっていることがわかります。例えば、同じ5歳魚でも、2019年時点での5歳魚の平均重量は400g程度しかなく、2011~2014年時点での5歳魚の半分の重量にしか育っていません。
資源量が低水準の時期は、成熟が早まり2歳で半数が成熟し、3歳ですべて成熟します。
一方で資源量が高水準の時期は、4歳ですべて成熟、と成熟するペースに差が出ています。
産卵時期
主に春
寿命
10年前後
エサ
雑食性:動物性プランクトン、小魚、オキアミ類