資源管理

持続可能な漁業へ──サバの資源管理の枠組みと現状

■ノルウェーサバのMSC認証停止と国際的な資源管理について

2019年3月2日以降、ノルウェーを含むタイセイヨウサバ漁業に対するMSC(海洋管理協議会)認証が停止されました。これは、同一のサバ資源を利用する漁業国間で漁獲量の合意が得られていないことが主因です。

国際的な資源評価機関であるICES(国際海洋探査評議会)は、毎年、持続可能な漁獲量の目安を勧告しています。しかし、各国が設定する漁獲枠の合計が、この勧告量を大幅に上回る状況が続いています。
ノルウェーをはじめとする欧州各国は、未成魚を避けて漁獲しています。それでも、漁獲枠の合計がICES勧告量を大幅に上回っているため、資源の持続性に対する懸念が高まっています。

そして2025年10月末、ICESはタイセイヨウサバの資源量がさらに悪化していることを明らかにし、2026年の漁獲枠を前年比77%減の17万トン強にまで削減するよう勧告しました。

この勧告量は1998年以降で最も低く、資源の危機的状況を示しています。

欧米市場では、MSC認証のある水産物を優先的に調達する方針を採用する傾向が強まっており、認証の有無が商流や消費者の選択に大きな影響を与えています。

こうした国際的な動向は、日本の漁業にも無関係ではありません。

■漁業法改正の背景とポイント(2018年)

持続可能な漁業に対しての国際的な意識の高まりの中で、日本でも漁業資源の持続可能な利用に向けた制度改革が進められています。2018年12月には、約70年ぶりとなる漁業法の抜本的な改正が行われました。

改正の主なポイントは以下の通りです。

MSY(最大持続生産量)に基づく資源管理:魚の資源量を減らすことなく、持続的に漁獲できる最大量(MSY)を基準に、科学的根拠に基づいて漁獲量の上限を設定する仕組みが導入されました。

個別割当(IQ)制度の導入:魚種毎に設定した漁獲枠を、さらに漁業者ごとに漁獲可能量を割り当てることで、過剰な漁獲を防ぎ、資源の回復を促進します。

企業参入の促進:養殖業などにおいて民間企業の参入を可能にし、産業の活性化と技術革新を後押しします。