美濃街道(福井~岐阜)
【ルート】福井県福井市~福井県大野市~岐阜県郡上市
福井県北部にも鯖が辿った道があります。かつて越前(福井県)と美濃(岐阜県)を結ぶ交通路であり、年貢米の輸送や大野藩の参勤交代に利用された「美濃街道」。越前海岸で水揚げされた鯖は福井市・福井城下勝見口 から美山、そして坂戸峠を越えて四方を山に囲まれた盆地、大野を経て、最終的には岐阜県郡上八幡まで運ばれたと言われています。
大野では、毎年夏至から数えて11日目の「半夏生」に焼き鯖を食べる風習があります。江戸時代、大野藩は越前海岸・四ケ浦に飛び領地を所有していました。当時の藩主が夏場、農民が農作業で疲れた身体を癒し、暑さを乗り切るために、豊富に水揚げされていた鯖を丸ごと焼いて食べることを推奨したことがその由来と言われています。
毎年、半夏生の日には街中の鮮魚店が、店頭でズラリと並べた鯖を焼き上げるのが大野の風物詩。お店によって串の刺し方、焼き方や塩加減にこだわり、味わいもさまざま。碁盤目状の街並み、寺町の佇まいが美しい城下町が、鯖の香りと白い煙に包まれる特別な日に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
(文 薬膳アテンダント/ 全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ 池田陽子)