サバ缶の作り方
サバ缶ができるまで
サバ缶を作るには、まずサバを獲り、そのサバを原料として加工するという流れをたどります。 どのようにして作られているのか、順番にご説明していきます。
港に運ばれたサバは、缶詰を作る工場に送られて加工されていきます。 どのような加工をされて缶詰になっていくのか、マルハニチロ北日本青森工場を例に詳しく紹介していきます。
STEP1:サバの受け入れ、解凍、洗浄、選別
まず海で獲られたサバが工場に送られてきます。
サバが獲れる秋~冬は、港から直接工場へ生のままサバが来ますが、それ以外の時期は、一旦生のままブロック状に冷凍して倉庫に保管しておき、必要な分を工場に運びます。
この後、サバを解凍・洗浄し大きさごとに選別します。小さなサバは小型向けの缶詰に、大きなサバは、大型向けの缶詰にします。
STEP2:異物の検査
海には、生き物以外にも金属やプラスチックなど、様々なものが存在します。
それらは、サバといっしょに網にかかってしまったり、サバが飲みこんでしまったりすることがあります。 そうしたものは、缶詰にとっては「異物」です。
そのため、缶詰に使うサバに異物が入っていないか金属検知機やX線検知機で確認します。
またさらに、サバを切る前、切った後、缶に詰めてからなど、何度も確認し、缶詰に絶対に異物が入らないように何度もチェックしています。
STEP3:サバのカット、洗浄
皮がはがれていないか、身がくずれていないかなどサバの状態を人の目で確認します。その後、機械でサバの頭、しっぽ、内臓を取りのぞき、缶に入る大きさにカットします。
せびれは固く、食べづらいため切り落とします。
STEP4:カットされたサバの選別
カットされたサバに内臓が付いていないか、カットが斜めになっていないかを、人の目で確認します。
問題のないサバは、ベルトコンベアに人の手でセットされます。
ベルトコンベアは、サバを缶に入れる機械へつながっています。
STEP5:サバを缶に入れる
機械で缶にサバを入れていきます。
空の缶
機械を通ると缶にサバが入ります。
STEP6:サバの重さを量る
缶に、決められた量のサバが入っているかを機械で確認し、量が少なかったり多かったりする場合は、人の手で調整します。
STEP7:調味液を入れる
調味液を缶に入れます。 調味液は別の部屋で調合。
STEP8:缶の蓋を閉じる
缶の蓋を、機械で閉じていきます。異物や菌が入らないよう、空気を抜いてしっかり密封します。
STEP9:缶詰の殺菌
120℃の蒸気で約1時間殺菌します。
殺菌すると同時に、サバが加熱され煮魚になり、食べられる状態になります。
レトルト殺菌釜: 一度に約7000缶入れることができます
STEP10:缶詰に印字をして、箱につめる
缶詰に賞味期限を印字して、箱につめます。
STEP11:出荷作業
箱詰めされた缶詰は保管庫に送られ出荷を待ちます。
その後、別に保管しておいた缶詰を一部開けて、決められたとおり殺菌されているかどうかを念のためチェックしています。
<食の安全・安心のために>
缶詰は人の口に入るものです。そのため作業する人は、缶詰を作るときだけでなく、工場の中に入る前から、異物や菌が入らないよう、細心の注意を払っています。
異物が取れているか、検査係がチェック
体に付いたほこりや髪の毛を取り除くための粘着テープ
手を念入りに洗浄
工場で使う水に問題がないか、定期的にチェック
<使わない部分をリサイクル>
サバを缶詰に加工するとき、頭や尾、内蔵などは切り落とし、缶詰には入れません。 だからといって切り落とした部分を廃棄せず、養殖マグロのエサなどに利用され、無駄なく活用しています。
しっぽなど缶詰に使われない部分はブロック状に固められ、マグロの養殖場などに送られます。