スーパーの鮮魚売り場でマダイやマサバなど、一尾丸ごとの魚を売っているのを見かけたこと、購入したことはありますか?
一尾丸ごとを使い切るってどうしたらいいんだろう、そもそも魚のさばき方を知らない等、買うのを躊躇する方もいるのではないでしょうか?
今回は1尾のマダイを使って何品の料理ができるのか、ライブ感覚?!でお届けしたいと思います。
umito.ではサバペディアのサバメニューでおなじみの、イタリア料理・カノビアーノの植竹シェフにお願いしました。
(市場の鮮魚)
(マダイ)
まずはマダイをさばきます。
今回は1.2㎏のマダイを1尾使用しました。
マダイを三枚におろし、半身2枚、中骨、頭を使っていきます。
(動画 マダイの三枚おろし)
ご自宅でさばくのが大変と思われる方は、ぜひお近くのスーパーや魚屋さんにご相談してみてください。今回の料理で使うさばき方であれば「三枚おろしでアラはすべて持ち帰ります」等を、売り場の方におっしゃると伝わるのではないかと思います。オーダーの際にご参考ください。
(マダイのカルパッチョ)
マダイの透き通った身とフルーツトマトソースのコントラストが美しい、華やかな一品です。
レモンドレッシングで味を引き締め、粒マスタードがソースに深みを作っています。
素材を生かしたシンプルな配合だからこその美味しさです。
◆材料(3~4人前)
マダイのフィレ…約300g 半身1枚を使用
フルーツトマト…6個
粒マスタード…大さじ1/2
塩…少々
エクストラバージンオリーブオイル(以下EXオイル)…大さじ1
レモンドレッシング
レモン…1/2個
塩…ひとつまみ
EXオイル…(レモン汁の3倍量)
(飾り)
セルフィーユ…少々
エディブルフラワー(食用花)…少々
(動画 マダイのカルパッチョ)
◆作り方
1.フルーツトマトを半分にカットし、種を取り除く。刻んでミキサー(もしくはブレンダー)にかけ、裏ごす。
2.1.に塩、粒マスタード、EXオイルを混ぜ合わせ、冷やす。
3.レモンドレッシングを作る。
① レモンを半分にカットし、レモン絞り器に押し付けるようにレモン汁をとる。
→ぐりぐりと絞り出すと苦みが出てくるので押すようにする。
② レモン汁大さじ1/2に塩を一つまみ加え混ぜる。
③ 塩が溶けたらEXオイルを少しずつ混ぜ合わせ、乳化させる。
4.マダイのフィレをそぎ切りにして、バットに並べ、塩をしてレモンドレッシングを上面に塗る。
5.皿に3.をひき、4.をのせ、セルフィーユやエディブルフラワーを散らす。
(マダイのカルパッチョ エディブルフラワー添え)
(マダイのカルパッチョ セルフィーユ添え)
花はあってもなくてもどちらも素敵ですね!
(アクアパッツァ)
イタリア料理の定番アクアパッツァ。
イタリア語でアクア(aqua)は水、パッツッァ(pazza)は暴れるという意味。グツグツ煮込んで魚介の旨味と食材を存分に引き出します。
パンにもご飯にも、お酒にも合う一品です。
◆材料(3人前)
マダイのフィレ…約150g 半身1枚の1/2を使用
殻付きアサリ…500g
ミニトマト…1パック
アンチョビ(瓶入り)…4切れ
ケッパー…大さじ1
イタリアンパセリ…少々
白ワイン…60㏄
塩…少々(味整え用)
エクストラバージンオリーブオイル(以下EXオイル)…大さじ2
(動画 アクアパッツァ)
◆作り方
1.マダイの切り身に塩をして、フライパンで皮目からソテーする。マダイをフライパンの端にずらし、包丁でたたいたアンチョビとケッパーをソテーし、白ワインを加える。
2.白ワインのアルコールを飛ばし、水を加え沸騰したら、カットしたミニトマトとアサリを加える。アサリの口が開いたらEXオイルを加え、乳化させる。
3.大き目のみじん切りにしたイタリアンパセリを散らす。
(マダイとトマト、春菊ペーストのスパゲッティーニ)
春菊というと、国産やアジア発祥の野菜というイメージがあるのではないでしょうか?実は原産は地中海沿岸だそうです。ヨーロッパでは食用ではなく観賞用として栽培されているそうですが、今回イタリア料理の食材としてどのようなアレンジがされるのでしょうか。マダイとのコラボをお楽しみください!
◆材料(3人前)
マダイのフィレ…約150g 半身1枚の1/2を使用
玉ねぎ(1㎝角切り)…1個
ミニトマト…2パック
エクストラバージンオリーブオイル(以下EXオイル)…大さじ4
スパゲッティーニ…240g
塩…適量(味整え・スパゲッティーニ茹で用)
春菊ペースト
春菊…1パック
EXオイル…大さじ4
塩…少々
(動画 マダイとトマト、春菊ペーストのスパゲッティーニ)
◆作り方
1.春菊ペーストを作る
・春菊の葉のみを取り、EXオイルと一緒にミキサーにかける。
→ミキサーで均一に作るため、多めの分量になっています。残ったらリゾットやアクアパッツァに添えてもGood。冷凍保存も可能です(保存目安期間:1か月程度)。
2.マダイのフィレを1㎝に角切りし、塩を軽く振る。玉ねぎをEXオイルでソテーする。
3.ミニトマトを半分にカットする。
4.別のコンロでスパゲッティーニを茹で始める(固めのアルデンテまで)。
5.フライパンにマダイを加えソテーする。
6.ミニトマトを加え弱火で煮る。
7.春菊ペーストを加えて混ぜ、塩で味を調え、ゆであがったスパゲッティーニと和える。
(マダイと冬野菜のリゾット)
身体が温まる、ほっとする味のリゾットです。
マダイの旨味を活かすため、チーズは入れないのがおススメ。
スパゲッティーニで使った春菊ペーストとも相性抜群です。
リゾットが余ったら薄く延ばして焼き、カリカリクリスピーにして食べるのも美味!
◆材料:3人前
マダイのスープ・ほぐし身
マダイの頭・中骨・ヒレ…1尾分
*玉ねぎ…1個(5㎜スライス)
*人参…小1本(5㎜スライス)
*セロリ…1本(5㎜スライス)
*イタリアンパセリの茎…1パック分
塩…適量(スープ・リゾット味調え用)
米…200g
九条ネギ…2本(1㎝斜めスライス)
小カブ…2個(1㎝角切り)
白菜…1/4カットのものを1/3程度(1㎝幅スライス)
じゃがいも(メークイン)…100g(角切り)
エクストラバージンオリーブオイル(以下EXオイル)…大さじ2
(動画 マダイのスープ)
(動画 マダイと冬野菜のリゾット)
◆作り方
1.マダイのスープを作る。
① 沸騰したお湯に、さばいて血合いを取ったマダイの頭、中骨をさっとくぐらせ、水洗いする。
→スープが濁らないよう、ぬめりや血合い、余分な脂肪を取り除きます(湯引き)。
② 鍋に一つまみ塩を入れ、湯引きしたマダイと水をひたひたに入れ加熱する。
③ 沸騰したら※(玉ねぎ、にんじん、セロリ、イタリアンパセリの茎)を加え、弱火で30分煮る。
④ スープを裏ごし、頭と中骨から身を取り出し、リゾットの具材にする(小骨が入らないように)
2.平鍋で米をEXオイルでソテーし、マダイのスープを加えながら、炊いていく。
3.2の途中でジャガイモ、白菜、小カブ、九条ネギを加えていく。
4.米がアルデンテになったら(2.~4.で約8分)、アラから取り出したマダイの身を加えて混ぜ、EXオイルを混ぜ込み、塩で味を調える。
いかがでしたか?
今回は1尾のマダイから、カルパッチョ、アクアパッツァ、スパゲッティーニ、リゾットの4品が出来上がりました!
1尾で1品と考えるとごちそう価格ですが、材料を余すことなくいろんなメニューにアレンジして使えることを考えると、作り甲斐もありお買い得、なのかもしれません。
また、一度に4品作らずに、残ったマダイをラップに包み冷凍庫で保管すれば、好きな時にまた作ることができます(保存目安期間:1か月程度)。
クリスマスや年末年始、またご自宅で腕を振るうごちそう作りの時などにぜひチャレンジしてみてくださいね♪
(カノビアーノ 植竹シェフ)
イタリアンの名店「カノビアーノ」のオーナーシェフ。自然派イタリアンの第一人者。とことん無駄をそぎ落とし、素材の究極の味を引き出す。にんにくや唐辛子、バターやクリームなど動物性油脂を極力使わず、オリーブオイルや野菜など自然の味わいを大切にする。
(RISTORANTE “CAANOVIANO”)
RISTORANTE “CANOVIANO” – ホテル雅叙園東京 (hotelgajoen-tokyo.com)
(サバペディア)
https://umito.maruha-nichiro.co.jp/saba/chef/uetake/