6月22日は「DHAの日」!おいしさとその効果

6月22日は「DHAの日※」って、みなさんご存じでしたか?DHAは、主に魚に多く含まれ、体によいといわれている栄養素。なぜ6月22日かというと、DHAが6つの二重結合を含む、22個の炭素原子が鎖状につながった脂肪酸だからなのです。 難しい話はさておき、今回は私たちの体を作るために欠かせない栄養素、DHAを取り上げてみました。

6月22日は「DHAの日※」って、みなさんご存じですか?

DHAは主に魚に多く含まれる、私たちの体に必要な栄養素。なぜ6月22日かというと、DHAが6つ(ヘキサ)の二重結合を含む、22個(ドコサ)の炭素原子が鎖状につながった脂肪酸だからなのです。 難しい話はさておき、今回は私たちの体を作るために欠かせない栄養素、DHA(ドコサヘキサエン酸)を紹介します。

※日本記念日協会認定

(6月22日は「DHAの日」制定の所以~DHAの構造)

DHAはどんな栄養素?

DHAを一言で言うと前述の通り”必要な栄養素”すなわち「必須脂肪酸」です。脂肪酸とは、脂質、いわゆる「油」を構成するもとになるものです。 脂肪酸は、人間の脳や目の網膜、心臓(心筋)や胎盤、精子や母乳にも多く含まれています。DHAはそんな大切な栄養素であるにもかかわらず、残念なことに体内ではほとんど作ることができないため、食事を通して摂取することが大半です。

野菜や豆に含まれるαリノレン酸からも体内でDHAを作り出すことはできるのですが、効率よく摂るためには、なんといっても魚、とくに青い背の「青魚」から直接DHAを摂るのが効果的です。

魚(生) 缶詰・加工品
マサバ 970mg さば しめさば 2300mg
アジ 570mg さば水煮 1300mg
サンマ 2200mg サンマ味付け 1700mg
カツオ秋獲り 970mg
刺身一切れ(20g)
194mg
サンマ蒲焼 1200mg
マイワシ 870mg いわし水煮 1200mg
ブリ成魚 1700mg
刺身一切れ(20g)
340mg
いわし蒲焼 1400mg
クロマグロ 脂身 3200mg
寿司1貫(正味20g)
640mg
カラフトマス水煮 530mg


(可食部100gあたりに含まれるDHAの量 出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂))

日本人の食事摂取基準(2020年版)によればDHAもその一つであるn-3(ω3)系脂肪酸として一日に摂取すると望ましい量は成人男性で2.0g~2.2g、成人女性で1.6g~2.0gとされています。マグロのお刺し身なら3~4切れ、ブリで6~7切れほど。焼き魚だとサンマは約1尾、小型のイワシで約2尾程度が量の目安です。 常備ができて手軽に食べることのできるサバやイワシの缶詰なら、いつでもどこでも、気軽にDHAを摂取することができます。

サバ水煮缶(190g)なら1缶でDHAとしてn-3(ω3)系脂肪酸の大人1日量が十分摂取できます。汁にもDHAが含まれていますので、捨てずにぜひ利用しましょう。味噌汁など汁物に追加するのも味にコクが出るのでおすすめです。また缶汁も使って、丸ごと炊き込みご飯の具材にすると、無駄なく手軽においしい一品が作れます。マルハニチロでも缶詰を使ったレシピを公開していますので、ぜひご参照ください。

DHAの効能といえば?

(さまざまなDHAの期待される効果)

DHAといえば、記憶や学習に効果的というイメージがありませんか? これはイギリスのマイケル・クロフォード教授(脳栄養科学研究所)が、1989年に発表した「日本の子供の知能指数が高いのは、日本人が昔から魚をたくさん食べていたことが理由の一つ」という説から生まれました。この発表以来DHAへの注目度は一挙に高まり、各国で臨床試験が繰り返されてさまざまな効果が明らかになっています。

現在では「中性脂肪、コレステロールの低下効果」に加え、「アトピーやアレルギー、情緒の安定・抗うつ・ドライアイの予防・認知機能低下の抑制」への効果も期待されています。

DHAの認知機能低下抑制とは

マルハニチロでは、認知機能など健康・長寿に、DHAが及ぼす影響を調査する臨床試験を行いました。

実験方法は、まず被験者を2つのグループに分け、一方にはDHAを添加したフィッシュソーセージ(1本当りDHA850mg:DHA入りフィッシュソーセージ群)を、もう一方にはオリーブ油を添加したフィッシュソーセージ(プラセボ群)を、それぞれ1日2本ずつ、1年にわたって摂取してもらいました。 そして半年に一度、認知機能や記憶力に関するテストを行い、DHAの認知機能に及ぼす効果を比較しています。2年目は、全ての被験者にDHA入りフィッシュソーセージを摂取してもらい、同様に認知機能や記憶力に関するテストを行いました。

(DHA摂取によりスコアの数値が上がっており認知機能改善がみられます 
出典:薬理と治療 vol.43 no.5 2015: 667-677)

実験の結果、1年目の試験ではDHA入りフィッシュソーセージのグループは、12か月目にはMMSE(最も一般的な認知症の検査)の図形描写による空間認知能力の改善が認められています。

その後の2年目の試験でも、DHA摂取による認知機能改善の効果は続き、MMSE計算課題、MMSE遅延再生課題およびMMSE総合点の上昇がみられました。

私たちの体のもととなる細胞の重要な構成成分としての脂肪酸から、認知機能の改善まで。人生百年時代に、成長期のお子さんからご高齢の方にまで役立つDHAは、人間にはなくてはならない存在です。旬の魚のお刺し身や魚の缶詰などを食べるだけで手軽に摂取できるDHAを、この日を機会に楽しみながら摂ってみませんか。