17色のカラフルなバッジを、襟元につけている方が増えているのをご存知でしょうか。そのバッジはSDGs(持続可能な開発目標)を表しているバッジです。
それぞれの色には、2015年に国連で採決された、人間、地球及び繁栄のための行動計画として17のゴールが掲げられています。
全体のゴールの達成時期は2030年としていますが、ゴールを細分化したターゲットの中には、魚の持続性(14.4)など2020年までに達成しなければならないものも含まれています。
いち早く行動に出ている国や企業もありますが、日本も徐々にSDGsが浸透してきました。
テレビや新聞、ウェブやSNSなどで、17色のきれいなチャートや、分割して示されている目標の一部を目にしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
SDGsが急速に普及している理由の一つに、ESG投資の影響という経済的な要因があります。ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとった略語で、地球環境や人権への対応、法令順守などを重視した投資のこと。これから耳にする機会も増えると思います。
驚くべきはその投資金額。世界全体ではなんと、31兆ドル(約3,400兆円)に上り、2016年に比べると34%も増加しています。
環境問題に関心が高い欧州では、すでに全投資の約50%と、かなり経済における重要性が増しています。
日本ではESG投資が全投資に占める割合は、これまで割合は小さく、欧米と比べると大きく遅れていたのですが、2018年は2兆1,800億ドル(220兆円)と、2016年に比べて4.6倍となり、全投資に占める割合は3%から18%へと大きく伸長しています。
日本でESG投資に出資している金額約220兆円は、国家予算約100兆円の2倍であり、その数字がさらに伸びる余地があるとなれば、その影響力がいかに強大になりつつあるかわかりますよね。
ESG投資はもともと、環境に配慮している企業は、好収益を出しているというデータに基づいています。環境に配慮する企業にはESG投資による資金が集まりやすくなり、株価の上昇や、良い条件の融資にもつながるというプラスの面があります。
一方で、実際に宣言や公表している内容と、実態が異なることを指摘された場合、投資資金が引き上げられてしまう可能性が高くなります。これをSDGsウオッシュ、グリーンウォッシュなどと呼びます。
さて話は戻りますが、SDGsの達成へ向けて私たちにできることは何があるのでしょうか?
SDGsがカバーする範囲は、「1:貧困をなくそう」や「2:飢餓をゼロに」から、「16:平和と公正をすべての人に」、「17:パートナーシップで目標を達成しよう」に至るまで多岐にわたります。人や地球環境をより良い未来へ導くための目標なので、取り組めることはたくさんあります。
17の目標の内、「14:海の豊かさを守ろう」は、私たち「消費者」に直接関係してくる項目です。
当然ですが、「消費者」に支持されない魚は売れません。獲った魚が売れなければ、獲る人たちにとっては価値がないものになってしまいます。
そこで、資源の持続性を考え、それを水産エコラベルとして消費者にわかるようにする取り組みが世界で広がっています。その一つがMSC認証と呼ばれる水産エコラベルです。
(商品を見る)
このエコラベルは、資源の持続性を認められた水産物の目印といえます。
消費者の皆さんがこのラベルを見て、「海の豊かさを守ろう」の目標を思い出してくだされば、少しでもSDGsの効果があったといえるでしょう。
貴重な海の資源を守り続けていくためには、消費者として、私たち一人一人が日々どう行動するかが、とても大きく影響していくのです。