おすし屋さんで見かける魚の名前が書かれた湯呑み。おすしを食べながら夢中に読んでしまったことありませんか?
今回は、難解な魚の読み方をクイズ形式で出題します。休暇モードを切り替えるためにもぜひチャレンジしてみましょう。全部答えられたあなたは魚漢字博士です!
(魚という漢字)
「魚」という漢字は、魚を縦においた象形文字がもとになっています。下の四つの点が魚の尾ひれというわけですね。 漢字の左半分に置かれる部首を「へん」といいますが、魚という字の部首を「さかなへん」といいます。魚の名前や、水に関係する意味をもつ漢字によく使われています。
漢字は殷(古代中国)で発明され、そののち日本に伝わりました。その本家中国にはない漢字のことを国字といい、日本でつくられた漢字になります。その国字が一番使われているジャンルが、さかなへんのつく漢字なのです。
四方を海に囲まれた日本では、昔から多くの種類の魚が流通し、多くの魚が食べられていました。そのため、魚を区別するために多くの名前が必要だったと推測されます。
しかし、「鮭」は日本ではサケを指しますが、中国ではフグの意味になります。同様に「鮎」は日本では「アユ」ですが、中国では「ナマズ」です。このように、日本と中国で魚の名前が必ずしも一致するとはかぎりません。なお「鰯」(イワシ)は中国にはない字なので、日本でつくられた国字ということになります。
それではさっそくクイズを出題します。
①~④のさかなへんをもつ漢字は、何と読むのでしょうか? これらは以前にumito.の記事で紹介された魚たちです。
ヒント
① 雪のように白い肉の魚という意味の、比較的寒く深い海にすむ白身魚です。
② さかなへんの右側の漢字に注目しましょう。この漢字は「よろこぶ」または「き」と読みます。この魚はキから始まる魚です。
③ さかなへんに「平(たいら)」という漢字です。ひらたい魚といえば?
④ さかなへんに「皮(かわ)」という漢字です。この魚は皮がとても硬いので、皮をはがして食べます。
熟字全体に訓読みをあてた言葉を「熟字訓」といいます。①と②の漢字は何と読むのでしょうか?
ヒント
① 読み方はアイヌ語から、また、「柳の葉が魚になった」というアイヌの伝承が漢字にあてはめられています。
② 凍った湖に穴を開けて釣ることで有名な魚。江戸時代に徳川将軍家に献上され、将軍家御用達の意味で、公という字があてられました。
<答え>
答えは、①シシャモ、②ワカサギでした。
日本でシシャモとして売られている多くは「カラフトシシャモ(カペリン)」という近種の魚です。ワカサギは氷に穴をあけて釣る「穴釣り」が有名ですが、船の上や岸から釣ることもできます。
さて、この漢字は何と読むのでしょう? 番外編とあって、ちょっとした引っ掛け問題になっています。
ヒント
さかなへんに「平」はヒラメと読みましたね。では、大きなひらめと書くと…
<答え>
答えは「オヒョウ」です。
オヒョウは1メートルを超える大型の魚で、ヒラメではなくカレイの仲間です。カレイは「鰈」と書くので本来は「大鰈」と書くと思われますが、このような漢字になっているのは面白いですね。
(127cm、25.2kgのオヒョウ)
ところで、ヒラメとカレイの違い、みなさんはわかりますか?
umito.記事でぜひ確認してみてくださいね。
最難解に位置するのは、こちらの漢字です。「さかなへん」に「青(靑)」と書きます。「青」の旧字体は、「月」の部分を「円」と書きます。
(2種類の鯖)
もちろんお馴染みの「サバ」ですね。
しかしサバとも読みますが、他にも読み方があります。それは何でしょう?
<答え>
答えは「よせなべ」でした!
「鯖」は、中国では魚や鳥獣の肉などを混ぜて煮た料理の名前、つまり「よせなべ」を意味していました。このため、今でも鯖と書いて「よせなべ」と読むことがあるそうです。
特徴が反映されていたり、意外な読み方をする魚の漢字、ご家族や友人に出題してみてはいかがでしょうか?