遥かかなたアラスカから、冷凍された魚はどうやって日本に運ばれてくるのか?

日本からはるか4500km離れたアラスカ・ダッチハーバー。この港から、日本はもちろん世界各国に冷凍された魚が送られています。では加工した後に急速冷凍された魚は、どのようにして日本へ運ばれてくるのでしょうか。

遥かかなたアラスカから、冷凍された魚はどうやって日本に運ばれてくるのか?

日本からはるか4500km離れたアラスカ・ダッチハーバー。
この港から、日本はもちろん世界各国に冷凍された魚が送られています。
では加工した後に急速冷凍された魚は、どのようにして日本へ運ばれてくるのでしょうか。

シーズン中は日々コンテナ積み作業が続く

アラスカでのスケトウダラの漁獲シーズンはベーリング海で年2回、アラスカ湾では年4回です。
この期間は毎日大量のスケトウダラが水揚げされ、水揚げされたスケトウダラは素早く加工・急速冷凍されていきます。
でも、急速冷凍された魚を保存する巨大な冷凍庫はここダッチハーバーではあまり見当たりません。
いったいどこに保存しているのでしょうか?

大量のスケトウダラが水揚げされると、まず、スリミやフィレー(三枚おろし)ブロックに加工され、急速冷凍されていきます。
一日の加工量は、一工場あたり原魚ベースで600~1000トンにも及びます。
急速冷凍された大量の魚はコンテナに詰め込まれて、島の中の港へと運ばれます。

スケトウダラの切り身って見たことありますか?

温度管理が可能なコンテナを積み込む船が港に待っている

港では冷凍された魚を詰め込んだコンテナを積む船が待っています。
加工後の魚は保管加工場などで長く保管されることなく、そのまますぐにコンテナ船へと積み込まれます。
そのため、ダッチハーバーの加工場には巨大な冷凍庫は必要ないというわけです。

運搬中にもし、冷凍した魚を入れているコンテナの温度が上がるような事故があっても、「リーファーコンテナ」を使っているので心配ありません。
このリーファーコンテナはコンテナ単位で温度が管理・設定できるすぐれもの。
温度上昇による万一の被害を、コンテナ単位という最小限にとどめてくれます。

アラスカで食卓に上がる魚介類を日本風にアレンジして楽しむ

山積みされたコンテナは冷凍庫の代わりにも

上の写真は、使用前のコンテナが山積みされているところです。

コンテナ船は必ず毎日来ているというわけではありません。
リーファーコンテナはマイナス20度以下に温度の維持ができるので、次の船が来るまでの間は、リーファーコンテナは動く冷凍庫として港で船積みを待つことになります。

アラスカから日本へ、7日間の航海

冷凍された魚が日本に着くと、コンテナのまま冷凍庫まで運ばれます。
そこでやっと取り出され、冷凍保管されていきます。

魚を積んだコンテナが、アラスカを出発して日本に到着するのは約7日後。
このような長い時間の運搬でも魚の品質が落ちないように、リーファーコンテナで徹底した温度管理が行われています。

皆さんもトラックに積まれたコンテナをよく見かけると思います。
その中にはアラスカから魚を運んできたコンテナがあるかもしれませんね。
遥かかなたの国から美味しい魚を届けるために、温度管理されたコンテナが日々活躍しているのです。