マイワシをもっと食卓へ

マイワシの全体像がわかる話

マイワシの水揚量が年々増えています。
1980年代半ばには、年間に全国で400万トンを超える漁獲を誇ったマイワシ。その後、急激に減少し、一時は幻の魚といわれるほどに減ってしまいました。しかしそのマイワシが最近また増加傾向にあります。

マイワシに関する次の2つのグラフを見てください。

マイワシ太平洋系群 漁獲量推移(水産研究・教育機構)

上のグラフは、近年のマイワシの水揚げ量のグラフです。2010年以降にぐっと水揚げ量が増えていることがわかります。2000年代と比べると2017年は何倍にも上ります。では次のグラフを見てみましょう。

マイワシ太平洋系群 漁獲量推移(水産研究・教育機構)

こちらは1975年から2017年にかけての水揚げ量を示しています。1980年代~1990年の前半にかけては、200万トンを超える大漁が続いていました。しかしその後、1990年半ばになると水揚げ量は大幅に減少しています。

このように近年は増加傾向にあるものの、約40年間というスパンで見ると、現時点ではまだ過渡期であることがわかります。 マイワシの資源量は漁獲量だけでなく環境要因によっても大きく左右されるといわれていて、これから先、以前のように増加していくかどうかはまだ不確実です。ただ、資源は増加傾向にあると推測はされています。

ところで、マイワシはどこで産卵して、どこに分布しているのかご存知でしょうか。
下の地図で示すように、産卵は日本の太平洋沿岸で行われています。やがて成長すると、日本の排他的経済水域(EEZ)を越えて回遊生活をおくります。

マイワシ太平洋系群 (水産研究・教育機構)

このように、マイワシは日本近海で産卵はするのですが、一生を日本近海で過ごすわけではありません。当然、日本以外の国もEEZの外側の「公海」ではマイワシを漁獲できます。これは同じ青魚のサバやサンマも同様です。

もう1つの群れの話

実はマイワシは、2つの大きな群れに分かれます。これを系群というのですが、1つの系群は上の地図で見ていただいた「太平洋系群」。そしてもう1つは「対馬暖流系群」といい、主に日本海側を回遊する系群です。この2つの系群は、それぞれ別の系統群として資源量が計られています。

それでは、下の「対馬暖流系群」の産卵場所と分布域の地図を見てみましょう。 この系群の産卵は、主に日本海の海域で行われます。分布域は、韓国・中国などの国々も漁獲できる海域であることがわかります。サバ類でも同じ傾向が見られます。

マイワシ対馬暖流系群(水産研究・教育機構)

下のグラフは「対馬暖流系群」の漁獲量です。推移においては太平洋側と同じような傾向で、1980年代から1990年代前半にかけて年間で50万トン~150万トンの大漁が続き、1990年代になると急激に獲れなくなっています。また2011年以降については、数量レベルは異なるものの、太平洋系群と同じように増え始めていることがわかると思います。

マイワシ対馬暖流系群 漁獲量推移(水産研究・教育機構)

マイワシ対馬暖流系群 漁獲量推移 (水産研究・教育機構)

脂がのっているおいしいマイワシ

マイワシの寿命は7年程度といわれています。下のグラフは、三陸沖で11月末に水揚げされた太平洋系群マイワシの脂肪分データ。マイワシの脂肪分は20%前後のものがほとんどですが、大きいものでは30%近いこともあります。2017年は、水揚げが減ったサンマに代わって、マイワシが缶詰原料として活躍しました。

出典:千葉県HP

脂がのったマイワシは、缶詰や鮮魚に、特に鮮度が良いものは刺身用として市場に出回っています。また、フィッシュミールや魚油等としても活用されています。小型のマイワシは食用には向かないため、ほとんど市場に出回りません。

マイワシの刺身

イワシの魚油から作られたDHA・EPAサプリメント

せっかくのおいしいマイワシ。養殖用のエサとしてももちろん重要ですが、もっと私たちの食卓にあがるようになるといいですね。